転職活動|まずは基礎知識のチェック

初めて転職活動を行う際は、いったいどのように進めればよいのかが分からずに困ってしまうこともあるのではないでしょうか。転職活動をスムーズに進めるためにも、就職活動との違いや転職活動にかかるおおよその期間を事前につかんでおきましょう。ここでは、転職活動を始める前に押さえておきたい基礎知識を解説します。

就職活動との違い

就職活動と転職活動の大きな違いは、求められる人物像にあります。新卒者を対象とした就職活動ではポテンシャル採用が主流であり、人間性や入社に対する熱意のほか、潜在能力や将来性などが重視されます。一方、社会人として一定の経験を積んできた方を対象とする転職活動では即戦力が求められる傾向にあるため、実務経験や身につけているスキルなどが問われます。

転職を成功させるには、社会人生活を通じて培ってきた経験やスキルなどが応募先企業でどう活かせるのか、どのように貢献できるのかを伝えることが重要です。業種や職種によっては、専門的な資格が求められる場合もあります。求人情報や企業のWebサイトなどをよく確認し、企業が求める人物像・スキルを明確にしましょう。

転職活動期間のおおよその目安

転職活動を開始してから入社にいたるまでの目安は、一般的に約3ヵ月~約6ヵ月と考えられています。転職活動には大まかなステップがあり、おおよその期間は以下のとおりです。

  • 自己分析、キャリアの棚卸し:約1週間
  • 情報収集:約1週間
  • 書類作成、応募 :約2週間
  • 選考、面接:約1ヵ月
  • 内定、退職、引き継ぎ、入社:約1ヵ月

自己分析から応募までの「転職準備期間」には、おおよそ1ヵ月を要します。選考を突破して入社するまでに、おおよそ2ヵ月かかると認識しておきましょう。

転職活動の進め方|7つの基本STEP

まずは基本的な転職活動の流れを紹介します。転職活動にはさまざまな段階がありますが、大きく7つに分けられるのが特徴です。事前準備から入社まで必要な手続きが複数あるため、ひとつずつ順番にクリアしていきましょう。

STEP1|事前準備

「新しい環境で仕事をしたい」と考えるようになったら、転職活動の事前準備を始めましょう。事前準備をしておくと、転職を決意してからスムーズに行動へ踏み切れます。具体的には次のような項目です。

  • 転職軸の設定
  • キャリアの棚卸し
  • 強みの把握
  • 情報収集

自己分析や情報収集にかけた労力に応じて、転職活動の進行スピードも変動します。事前準備は手を抜かずに進めたいステップのひとつです。

STEP2|企業選定

転職活動で求める条件が明確になったら、自分と相性のよい企業を探します。まずは条件を満たす求人を探し、そのうえで企業に関する情報を集めるのがおすすめです。入社直後から活躍するには、企業研究や業界研究が欠かせません。情報の集め方は、以下を参考にしましょう。

求人情報の集め方

  • 求人サイト
  • 転職エージェント
  • 企業ホームページ
  • ハローワーク

業界情報の集め方

  • 転職エージェント
  • ビジネス雑誌
  • 業界研究本
  • 業界団体資料

転職エージェントを活用すれば、求人情報・業界情報のいずれも効率的に集められます。特に転職エージェントは企業内部の情報も把握しているため、詳しく情報を知りたい方におすすめです

STEP3|応募

事前準備によって応募する求人を見つけたあとは、応募に向けた準備を始めます。求人に応募する際には、履歴書に加えて職務経歴書が必要です。書類をまとめて企業に提出し、書類選考を突破しましょう。

企業側は採用人数を確保した時点で募集を終了します。応募すべきか迷う時間が長くなると、採用枠が埋まってしまいかねません。よい条件だと思う求人を見つけたら、早めの応募をおすすめします。

応募書類は、企業が応募者とのマッチングを判断する際の重要なアイテムです。自身のアピールポイントと企業ニーズを照らし合わせ、魅力が伝わる内容にまとめましょう。

STEP4|面接

応募書類で選考を通過できれば、次は面接選考が控えています。面接は、転職活動の山場ともいわれる重要なステップです。企業によって設けられている面接回数は異なりますが、2回〜3回程度を目安に準備を進めましょう。面接官は企業の現場担当社員や人事など、面接フェーズごとに異なります。

ポイントは「企業が求める人物像にマッチしている」とアピールすることです。面接をクリアするには事前対策が欠かせません。模擬面接を受けるなどして対応力を磨き、本番で堂々と話せるよう準備しましょう。

STEP5|内定

面接を突破したら、入社が目の前に見えてきます。企業から内定連絡が入るため、入社するかどうかの最終的な判断を下しましょう。改めて転職先の企業が希望条件と一致しているかを確認するとともに入社日もチェックし、問題なく入社できるかどうか確かめましょう。

内定連絡を受けたあとは、企業側に入社意思を伝える必要があります。入社を保留にする場合や辞退する場合もきちんと伝えましょう。入社を決めた場合には内定承諾書を返送します。企業によっては内定者懇親会が行われる場合もあるため、参加可否を問われた場合には回答しましょう。

STEP6|退職

転職先企業への入社を決めたら、現職の企業を退職する必要があります。具体的な退職日としては、1ヵ月~2ヵ月程度を目安にするのがおすすめです。法的には退職日の2週間前までに退職の旨を申告するよう定められていますが、後任探しや引き継ぎなどを考慮すると、2週間では時間が足りないケースもあるため注意しましょう。

円満退職を望む場合には、スケジュールに余裕をもって退職の意思を伝えるのがポイントです。現職でお世話になった方には、退職前に忘れずあいさつしましょう。

STEP7|入社

空白期間を設けずに入社する場合、特別な手続きは不要です。ただし現職を辞めてから新しい会社へ入社するまでに期間が空く場合、必要になる手続きがあります。具体的には以下のものです。

  • 健康保険の切り替え
  • 国民年金への切り替え

入社する企業から以下の書類を要求されるケースもあります。

  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票
  • 年金手帳

企業によって用意する書類は異なりますが、入社後すぐに提出を求められることもあるため、企業側に必要書類を確認しておきましょう。